「筋トレは筋肉痛にならないと意味がない」「筋肉を大きくするには、筋肉痛になるまで追い込まなきゃ!」
筋トレをしていてこのように考えていませんか?
実際にそう思っている方は多いと思います。
まさに自分もこのように考えていて、”筋肉痛がひどければひどい方が筋肉が成長している”と考えていました。
今回は筋トレとは切っても切れない筋肉痛について解説します。
筋肉痛にならなければ効果がないわけではない
結論からいうと、筋肉痛になったからといってトレーニング・エクササイズの効果が現れているわけではありません。
「え!じゃあ、筋肉痛って筋肉の『成長の証』ではないの…?」
はい、筋肉痛がキツイからその日のトレーニングが効果的であったとは言えません。
では、筋肉痛とは一体なんなのか、また筋トレの効果(筋肥大)をどう考えるかは下記をご覧ください。
筋肉痛の種類や原因について
まず筋肉痛は2つの種類にわけられます。
- 即発性筋肉痛(Post Exercise Muscle Soreness=PEMS)
エクササイズ後24~48時間筋肉が痛む場合を即発性筋肉痛(PEMS)と呼びます。
これは特殊な筋肉痛ではなく、回復も早いので必ずしも害があるものではないです。 - 遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness=DOMS)
筋肉の痛みが48時間以上残る場合を遅発性筋肉痛(DOMS)と言います。
こちらは伸縮性の運動(エキセントリック)を行った場合に、起こりやすいです。
伸縮性の運動は、負荷を下ろしたり、ゆっくり減速する動作をコントロールしたりするいわゆるネガティブと呼ばれるの動きです。
以上が筋肉痛の種類です。
筋肉痛の原因ですが、実はなぜ起こるのかハッキリとわかっていないんです。
「原因がわからないのに、なんで効果がないと言えるんだ!」とツッコミが聞こえてきそうです(笑)
そもそも筋繊維に痛覚を伝える神経がつながっておらず、筋繊維が切れたからといって痛みを感じることはありません。筋肉痛は筋繊維の損傷によって感じるものでないため、筋肉痛がトレーニングの効果を示すものではないと言えます。
※なお、筋膜までも損傷するような肉離れの場合は、痛み即感じます。
肝心な筋肉痛の原因ですが、筋トレなどで生じる疲労物質の乳酸が筋肉中の毛細血管に長い時間のこり、これが筋肉への酸素供給をじゃますることで鈍痛を引き起こすというのが一般的な説明です。ただこれにもいくつか矛盾があり、指摘をされているようです。
筋トレはどこまでやるべきなのか
筋肉痛になるのが目安だった方は、ここまでの内容で目安を見失ってしまうことになります。
じゃあ、なにを目標にすればよいのかを説明していきます!
目的に合わせた重量やセット数を決める
トレーニングで達成する目的ごとに重量や回数、セット数は変化します。
以下の表をもとに簡単に解説していきます。
■筋トレの段階
段階(レベル) | %1RM | 反復回数(セット数) | セット間の休憩時間 |
---|---|---|---|
神経促進通(1) | <50% | 15~25回(1~2set) | 30秒 |
筋持久力(2) | 60~70% | 12~20回(2~3set) | 30~45秒 |
筋肥大(3) | 70~80% | 8~12回(3~6set) | 60~90秒 |
筋力(4) | 80~90% | 4~8回(2~6set) | 2~4分 |
パワー(5) | 85~100% | 1~5回(3~5set) | 2~5分 |
- 神経促進通
神経促進通は、神経と骨格・筋肉が連動して動く運動連鎖を確立する段階です。
また運動の矯正、パターン確率の段階でもあります。
セット間の休憩を短時間にして、少ない重量で回数を多く繰り返し行うことで筋肉のアンバランスを矯正し、正しいフォームでのトレーニングを確立させます。
トレーニングを始めたばかりの方は、この段階に合わせたメニューがおすすめです。
- 筋持久力
筋持久力では、運動連鎖をより長時間の負荷に耐えられるように向上させる段階です。
セット間の休憩を短時間にして、成長させたい部位ごとに回数を増やして繰り返し行い、休憩を短くして、筋肉を鍛え整えることに重点をおきます。
ランニング中心など、あまり体を大きくしたくない方はこの段階に合わせたメニューがおすすめです。
- 筋肥大
筋肥大は、名前の通り筋肉を大きくすることが目的の段階です。
効率よく筋肉を大きくするために、やみくもに高重量扱うのではなく、適切な重量を休憩を多めに取りながら、適度な回数・セット数行います。
またトレーニング中は、重りをあげるときより下げるときを意識し、なるべくゆっくり動作をすると、さらに効率的です。
筋トレで体を大きくしたい、マッチョになりたい!という方は、この段階に合わせたメニューがおすすめです。
- 筋力
筋力は、筋肥大と似ていますが異なります。
筋力はどれだけ力を発揮することができるかを指し、筋肥大は筋肉の大きさを指しています。
筋力では、筋が最大の力を発揮する能力の向上させる段階です。
セット間の休息を長めに取りながら、反復回数を少なくします。
この際、休息が十分でないと、最大筋力は十分に高まりません。
筋トレでは、漸進性・過負荷の原則というものがあり、トレーニングは徐々に負荷をあげていかなければ効果が得られにくいという原則があります。
そのため、筋肥大が目的の人も、たまに筋力の段階に合わせたメニューを行い、筋力をあげていかなくてはなりません。
筋肥大をよりさせたい、より重い重量をあげたい!という方は、この段階に合わせたメニューがおすすめです。
- パワー
またまた似た言葉が出てきたなと思う人がいらっしゃるかもしれません(笑)
ここでいうパワーは、仕事率のことであり、簡単に言えば「力×速度」のことです。
爆発的な筋力を育てるために、可能な限り短時間で最大限に力を高めます。
最大限の力で反復動作を短時間行ってから長く休憩することがポイントになります。
サッカーやラグビーなどのスポーツをやられる方は、この段階に合わせたメニューがおすすめです。
例えば、レベル3「筋肥大」が目的の場合
自分があげられるMAX値(1RM 最大挙上重量)の70~80%で8~12レップを3~6セットの中でやることが効果的ということになります。
まとめ
ポイント
- 筋肉痛はトレーニングの効果を表すものではない。
- 筋トレは自分の目的にあわせた「重量・回数・セット数・休憩時間」で行う。
筋肉痛になればよいという考えは捨ててしまってください。
その上で、「筋トレの段階」表を参考にして、自分のトレーニングが目的にあっているかぜひ確認してみてください。
目的にあわせたトレーニングメニューで行うことで自分の理想の状態への早道になります♪